太極拳
太極拳とは
[太極]とは、文字面を分析すると「はなはだ大きいはて」即ち、宇宙を意味しますが、その思想は東洋哲学的で「宇宙を構成する万物の根本原理」と考えられています。
[拳]とは、拳法即ち「武術」を表す言葉です。厳密に云えば、二人で組手となって 徒手で戦う事を意味しています。(広義では、剣や刀など武器を含めて称することがあります。)楊式太極拳では、相手が直線で突いてきても、円を描いてこれを「かわす」「いなす」型になっていて護身術を兼ね備えているのです。別名「円体操」と呼ばれる所以です従って、相手がいることを想定しながら練習を行う事も、型をマスターする上で大切なポイントだと思います。
又、ゆっくりと中腰で重心移動していくので、とくに下半身が鍛えられます。ゆったりした動作の中で己の手足の動きを意識せざるを得ないので、必然的に心身の統一がなされ、雑念が排除されていきます。「心の体操」ともいえるのです。一連の流れや型を覚えて慣れてきたら、天体の運行軌道のような感覚で円を描いて行うと宇宙との一体感が生まれて、気持ち良く演じることが出来るようになります。
太極拳の基本手法(名称と手法)
掤(ポン ) |
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相手の前進してくる攻撃に対し、手の甲または腕の外側を相手に向け、張り出すようにして受け止める。 |
捋(リュウ) |
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上述と同様な攻撃に対し、両手と両腕で斜め後下方に引き込んで、その勢いを躱す。 |
擠(ジー) |
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両手首又は両腕を組み合わせ、力を補強ながら相手に向けて推してゆく。 |
按(アン) |
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両手首で、相手の腕を押さえて、その前進を阻む。 |
身体への効果
北京運動医学研究所が長年太極拳を行っている人を調査した結果、次のような効果があることを発表しています。
① 中枢神経の機能を増強
② 呼吸や心臓血管系統を活性化
③ 骨盤、筋肉、関節を強化
④ 消化器系の血液循環を改善
太極拳の歴史
ここで少し、太極拳の歴史に触れてみたいと思います。
太極拳は今から300数十年前に陳家溝の住人陳 王廷が創作したとされています。これが陳式太極拳です。この陳式太 極拳を楊 露禅という人が学んで、19世紀に独自の太極拳を編みだしました。これが楊式太極拳です。
陳式は技撃的要素が強く、剛柔、緩急を織り交ぜていますが、楊式は保健的要素を重要視して、全体的にゆったりした穏やかなものになっています。
簡化太極拳について
1956年に中国国家体育局は健康体操の大衆への普及を目的として、楊式太極拳をもとに「簡化太極拳」別名「二十四式太極拳」を制定しました。
現在、太極拳は陳・楊の他、武・孫・呉などの諸式がありますが、現在、中国でも日本でも一番ポピュラーなのがこの簡化太極拳です。
ここでは
楊式太極拳と
陳式太極拳を表演したものを比較、概観して頂ける為にお見せします。
太極拳の表演
楊式太極拳(24式)
(前面)
(背面)
陳式太極拳(13式)
24年10月14日 港北公会堂にて演武。
楊式太極拳(24式)
当教室では、楊式太極拳(24式)及び陳式太極拳(13・18式)を主に教えています。
さぁ 皆さん!
私と一緒に、この太極拳、優雅な「白鶴の舞」を舞ってみませんか?